眼前に広がる太平洋の大海原!新鮮な源泉を常時かけ流し
日本最古の湯壷を擁し、古来の姿を今に伝える白浜の名湯
古来の名湯の雰囲気そのままに完全掛け流し
日本有数の温泉地、白浜にはいくつか源泉があり、ここ「崎の湯」は「みゆき2号」という名の源泉を引いている。湧出地は県道34号線から崎の湯に入っていく路地の入口に見える、鉄のやぐらの下。湯船との距離も近く、湯温が86度とかなり高いので、湯を注ぐ上から、ホースで水道水を加水した、かけ流しスタイル。
取材時温泉に入った人に、係の男性が湯加減を聞き、源泉の吐出量で、湯温を微調整していた。屋根のない完全な野天風呂のうえ、海の真横にあり、海水の混入、外気温や天候などに大きく左右される崎の湯。コンピュータによる温度管理を併用しながらも、人の手で大切に守られている。
泉質は、ナトリウム-塩化物炭酸水素塩泉で、無色透明、強い塩味がある。湯口近くでは、やや白濁し、硫黄臭がほんのり漂う。肌ざわりはサラサラとし、塩泉らしくしっかり温まる。また、湯上がりには肌がきゅっとしまるような感覚がある。
日本最古の湯壷を擁する男湯はダイナミックな設計
崎の湯は男湯と女湯があり、それぞれ上中下と高低差のある3つの露天風呂がある。
男湯の一番手前の上段にある湯船は、析出物で白くなめらかになった底に、一箇所ぽこんと深くなった日本最古と言われる湯壷を持つ。町指定文化財。
大人が一人入れるか危ぶまれるような小さな湯壷だが、昔はここから直接源泉が湧いていたのだそう。これは男湯にしかないので、男性は是非、日本の温泉の歴史を肌で味わって。湯壷の上の岩肌は高温の源泉が流れ落ち、付着した成分がサンゴのような模様を描いている。中段の岩風呂は40度前後の適温に調整されている。そして、男湯の一番下段の岩風呂は文字通り「太平洋に手が届く」海の近さ。大きな波は軽々と岩を越え豪快に入ってくるので、海に近づけば近づくほど浴槽内の湯温がぬるくなるという楽しいつくり。
海と一体となった湯船ゆえ、洗い場もなく、シャンプーや石鹸の使用は全面禁止だ。
大海原を一望できる高台の檜風呂が人気の女湯
女湯も海を眼前にした大らかなな造りだが、背後の松の木立や竹製の壁でうまく目隠しされている。一番手前の上段には、5人程入れるサイズの檜の浴槽となっており、太平洋の大海原を一望できる。夕方は海が赤く染まり、言葉にならぬ美しさ。この浴槽は40度前後に調整されている。中段の浴槽はそれよりやや熱めの温度設定。腰掛けるのにちょうどいい岩がいくつもあるので、海風に肌を乾かし涼もう。なかには本を持ち込んで、とことん満喫する人もいるとか。
海に近い下段の浴槽は、男湯よりはやや高めに岩組みされて目線を遮っている。時折大きな波が、温泉を気持ちいいぬる湯に加減し、岩にもたれて目をつぶれば海鳴りの音ばかり。海任せの湯温や、石鹸で髪や身体を洗えないことも、このロケーションにおいては、本来の温泉の姿を今に伝える魅力となっている。
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日本最古の湯壷と白い湯の花
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男湯中段風呂
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本当に手を伸ばせば海の男湯
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女湯はほどよく目隠し
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女湯上段の風呂
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石英のようになめらかな岩肌
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時々海草と一緒に入浴
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高低差のある立体的な造り
レトロな木製ロッカーが並ぶ脱衣所
貴重品は売店横の有料ロッカーへ
脱衣所は簡素な小屋で、レトロな木のロッカーが。くし型の鍵でロックできるようになっているが、壊れているところもあり、貴重品は、売店横の100円のコインロッカーへ入れるのが無難。ロッカーは小さめで、数は約40個。こじんまりとしているが、洗髪などができないぶん、湯上がりの身づくりにもそう時間はかからないので、上手にゆずりあって利用したい。
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レトロな木のロッカーの脱衣所
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椅子も用意されている
きれいに整備された岩場は、眺望の良い絶好の休憩スペース
名湯に浸かった者同士、海風に吹かれていると自然に会話が弾む
休憩スペースと名付けられた場所はなし。ただ、のれんを出たところにある「日本最古 崎の湯」の石碑に向かって右側の岩場がきれいに整備され、腰掛けるのにちょうど良い平らな石が適当にある。海を眺め、のんびり風に吹かれているうちに、そこここで、旅人同士や施設の方との会話が弾む風景が見られる。このおおらかな景色と名湯は、人の心も近づける効果がありそうだ。
また、駐車場内には、灰皿と石のベンチ、お手洗いが用意されている。
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海を眺めて心も休息
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展望塔を臨む男湯の岩場
開いていればラッキー!の「いでゆ反対タマゴ」の店
温泉利用の素朴な美味で名泉を味わおう
「崎の湯」近くの湯元のやぐら側にある「鎌倉商店」の「いでゆ反対タマゴ」70円が名物。黄身が固く白身はとろとろにやわらかい、普通のゆで玉子とは反対だから「反対タマゴ」。店頭に鎮座している石造りの亀のゆで釜には、もちろん温泉が注入され、茹で上がった反対タマゴは、温泉の塩と硫黄の風味でとっても美味。このお店、店主のおばあちゃんの都合によりかなりの不定休なので、営業時に行き会ったら即買いがおススメ。
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反対タマゴのゆで釜亀
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朝開いていたのに取材時には閉店
手軽に温泉が味わえる白浜温泉の湯の花を販売
崎の湯オリジナルタオルもいい入湯記念になりそう
管理小屋を兼ねている売店では、湯の花と入湯記念のタオルを販売。湯の花は大サイズが600円、小サイズが300円で、白浜温泉の湧出口から採取したものをパックしている。自宅の風呂に入れるだけの手軽さ、保温と肌のきめが整う効能も文句なしとの評判で、お土産に喜ばれそう。崎の湯のオリジナルプリントタオルは200円。駐車場の中には飲み物の自動販売機も。
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管理小屋を兼ねている売店
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湯の花と温泉タオルのセット
すぐ近くには美しい白砂のビーチの白良浜が
帰りには漁協直営の市場で、海の街の味覚をお土産に
「崎の湯」から43号線を北へ車で2〜3分の距離に、三日月型の白砂のビーチにヤシの木がゆれる美しい「白良浜」が。夏は海水浴客で賑わう、白浜の中心地だ。白浜の外湯を含め、観光スポットのほとんどは、この43号線沿いに並んでいる。
43号線を白浜空港近くまで北上したところにある、漁業協同組合直営の「とれとれ市場」は、和歌山名物のクエをはじめ新鮮な魚介類が安く、持ち帰りや発送のシステムも完備で、レジャー客に大人気だ。
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ここは記念撮影スポット
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崎の湯の由来と歴史を解説
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白浜へ辿る海沿いの道から円月島
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新鮮な魚介が安いとれとれ市場
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この看板を目印に右へ
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温泉成分で変色
日本全国はもとより海外からのお客様も。景色が自慢の日本最古の湯
白浜温泉には様々な泉質の源泉があるので、外湯巡りもオススメ
「崎の湯」には、日本全国はもとより、海外からもお客様がお見えになります。公営施設ならではの低料金で、これほどまでの絶景風呂が楽しめるとあって、おかげさまで大変多くの方に喜ばれています。休日や行楽シーズンはやはり大混雑いたします。比較的空いている時間帯を狙うなら、朝一番から14時くらいまでしょうか。1,350年来の温泉の姿を現代に伝える造りですので、悪天候時や強風時などは、入浴制限や臨時休業のこともあります。
また、白浜温泉は、豊富な湯量と泉質に恵まれた、古くからの温泉地です。崎の湯では石鹸などは使えないので、ぜひ他の温泉も合わせて巡って頂ければと思います。そのときには観光案内所などで配布している「外湯めぐり」のパンフレットをお忘れ無く。入湯料が50円引きになり、全6湯のスタンプが揃った方には記念品を贈呈しています。雰囲気も泉質も少しずつ違い、湯の街白浜を実感していただけると思います。