パンチのある力強い赤褐色の“金泉”は有馬ならでは
高濃度の名湯を「あつ湯」「ぬる湯」で入浴や無料の足湯、飲泉で満喫
ここならではの赤褐色の濁り湯“金泉”
金の湯で使用される“金泉”とは、有馬の街に噴出する8カ所の泉源中、98.2度と82.4度といずれも高温の天神泉源と有明泉源の2つの源泉を引き、混合した湯。泉質は含鉄-ナトリウム-塩化物強塩高温泉で、空気に触れるやいなや酸化し濃い赤褐色に濁るのが特徴。金気臭が強く、かなりの塩味や苦味も有し、いかにも力強いパンチの効いた湯だ。療養泉として指定される9つの成分中、単純温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、放射能泉の7つを含み、湿疹などの温泉療法にも用いるほか、濃い塩分で湯冷めしにくいなど、さまざまな効能がある。温度調整の為に加水&加温が行うが、源泉成分が濃厚なので、独特の色や匂いはしっかりキープ。豊富な湧出量ゆえ、贅沢にかけ流しで楽しめ気持ちがいい。ただ、高温の温度設定に加えて、成分が身体に染み込みやすい高張性なので、長湯でのぼせないように注意しよう。
44度「あつ湯」と42度「ぬる湯」が男湯&女湯に
金の湯では男ゆを「一の湯」女ゆを「ニのゆ」として、それぞれ「あつ湯」「ぬる湯」「白湯」の3つの湯船を持つ。壁に面して並ぶ大小2つの湯船のうち、小さい方が「あつ湯」で湯温44度とその名の通り熱めの設定。一年を通じてこの温度設定で、特に冬の寒い時期は凍えた身体がすぐ温もるさまに温泉力を実感するだろう。一方大きい方は「ぬる湯」で“ぬる”とはいえ42度と、こちらもなかなかの高温。いずれも湯の表面から5cm下が見えないほど赤褐色に濁る。常に湯淵から豪快に湯が溢れて次から次へとかけ流し。もう一つの湯船は水道水を使用した「白湯」で42度設定。入浴の際はかかり湯をした後「白湯」の半身浴から「ぬる湯」「あつ湯」と徐々に体を馴らし、休憩を挟むのが濃い金泉に湯当たりしないコツ。洗い場は「一の湯」「ニのゆ」各18席でボディーシャンプーとリンスインシャンプーを備える。
無料の「太閤の足湯」と「太閤の飲泉場」も人気
金の湯横に隣接する「太閤の足湯」と「太閤の飲泉場」は、どちらも無料で楽しめる。施設の裏手となる金泉使用「太閤の足湯」。石造りの4段式で各段に大人4人程が同時につかれる。泉温は42.3度だが、湯口に近い最上段はかなり熱く2〜3分で足が赤くホカホカに!15分もすれば身体全体が温まる。タオルが赤茶色に染まるほどの濃度なので足湯の際は衣服に注意。
玄関左手にあるのが間欠泉の「太閤の飲泉場」。敷地内で湧く泉温41度の無色のナトリウム塩化物泉を使用し、専用のコップをで生ぬるい源泉を口に含めば、ほんのり鉄の匂いと塩味。飲用により慢性消化器病や慢性便秘など内臓に効果があるそう。鉄泉ゆえ飲泉後は茶やコーヒーなどタンニンを含むものは控える。なお、自然ままに勢いよく噴き出ることや、湯が出ない時もあるので了承を。
-
湯口から出る湯は無色透明
-
金泉を掛け流し
-
浸けた手が全く見えない!
-
熱すぎる時はかき混ぜ棒で
-
「一の湯」の「あつ湯」
-
「一の湯」の「ぬる湯」
-
「白湯」ではイベント湯も
-
「一の湯」の洗い場
-
「ニのゆ」の「あつ湯」
-
「ニのゆ」の「ぬる湯」
-
「ニのゆ」の「白湯」
-
「ニのゆ」の洗い場
-
リンスインシャンプーも完備
-
高さのあるタイプの椅子も
-
シャワーもあり
-
「金の湯」効能・成分一覧
-
無料の「太閤の足湯」
-
足湯は2〜3分で真っ赤に!
-
「太閤の飲水場」
-
間欠泉に注意!
ロッカー数は男女共に100弱で、少し大きめのサイズもあり
パウダールームにはドライヤーも完備
ロッカーは男ゆ「一の湯」84個、女ゆ「ニのゆ」88個でフロントで渡されるキーの番号に従って使用するシステム。子供連れなど荷物が多い時はフロントで伝えれば、状況に応じて最下段の少し大きめのロッカーが使用できることも。脱衣カゴがあるので、入りきらない衣服はそちらへ。「ニのゆ」にはベビーベッドがあり。パウダールームは「一の湯」7席、「ニのゆ」6席で、ドライヤーとティッシュが常備されている。ドリンクの自動販売機が両方に設置されている。
-
「一の湯」の脱衣所
-
「ニのゆ」のパウダールーム
格子窓から通りを行き交う人を眺める1F休憩ロビーの椅子で
マッサージチェアや新聞を読みながらくつろげる
1F「休憩ロビー」には各種ドリンクの自動販売機を備え、円形の柱に沿って設けた椅子や長椅子で休憩できる。格子窓から外の風景を望み、すぐ前の小道を行き交う人々を眺めながらクールダウンするひと時が、なんとも温泉情緒あふれて良い風情。用意されている新聞を読みながらゆっくり過ごせる。ロビー内の壁面には、マッサージチェアが4台並び、10分100円。フットマッサージやダイエットマシーンも。なお館内は全面禁煙となる。
-
通りを眺める「休憩ロビー」
-
マッサージチェアもあり
施設内に飲食施設は無し。一歩温泉街に出れば有馬温泉の美食いろいろ
温まった身体で坂道をぶらり散歩しながら腹ごしらえを
館内に飲食施設はなく、食事の持ち込みも禁止されている。
とはいえ、施設から一歩外へ出れば大温泉街・有馬にあって食べる物には事欠かない。うどん、そば、ラーメン、お好み焼きに、おいしい焼肉もあり。温泉街をぶらり散歩しつつ見つけよう。
「金の湯」から「銀の湯」へ向かう小道沿いにある公共施設「有馬の工房」内の手打ちそば処「全寿庵」では、信州産の十割そば1,350円や素朴な山里の味の山菜そば880円。寒い時期はおでんも人気だ。
-
「全寿庵」のある温泉街の小道
-
「有馬の工房」で人気の十割そば
入浴アイテムやオリジナルグッズをフロントにて販売
サイダーの祖!?名物「ありまサイダー」も忘れずに!
フロントにて入浴に必要なものやオリジナルグッズを販売。タオル200円、スポーツタオル500円、ヘアーブラシ100円、シャワーキャップ50円や下着類の販売もあり。お土産には人気の金の湯&銀の湯の湯のみセット1,000円やハッピ型手ぬぐい500円を。また有馬に湧く炭酸泉に砂糖を加えたものが日本のサイダーの原点とも言われ、有馬名物となる瓶入りの「ありまサイダー」250円は湯上がりにぜひ。缶のドリンクやビール、アイス類、瓶牛乳の自動販売機も。
-
金銀湯のみ2個セットはお土産に
-
湯上がりに「ありまサイダー」を
ボコボコと湧く音が響き湯煙が立ち上る風情あふれる「天神泉源」や
有馬温泉の歴史を紹介する温泉資料館「太閤の湯殿館」へ足を延ばそう
公共浴場である館内には特に上記以外の施設は無し。オススメ立ち寄りスポットは、金の湯左手の坂道を東に上がり、ポストを左折した学問の神様の天神に湧く金の湯の源泉の一つ「天神泉源」。98.2度の高温泉がボコボコと湧く音が響き湯煙が立ち上る。金の湯裏手を回る「温泉寺」境内には有馬温泉の歴史を紹介する温泉資料館「太閤の湯殿館(入館200円、9〜17時、第2水曜休)」があり、豊臣秀吉が造らせたという湯船の遺構や復元した蒸し風呂などがある。
-
「天神泉源」
-
「太閤の湯殿館」
-
男湯「一の湯」の自販機コーナー
-
女湯「ニのゆ」は紅葉をイメージ
-
「ニのゆ」にはベビーベッドも
-
脱衣カゴもスタンバイ
-
「ニのゆ」内の自動販売機
-
館内には様々な自販機あり
-
新聞をご自由にごらん下さい
-
ダイエットマシーン3分100円
-
「金の湯」の入口
-
まずは下足ロッカーへ
-
券を購入して受付へ
-
受付にてグッズの販売も
-
ハッピ型手ぬぐい500円
-
貴重品ロッカーもあり
-
浴室は2階へどうぞ
-
館内エレベーターあり
-
廊下に秀吉に因むオブジェ
-
湯殿館で展示の岩風呂遺構
-
僧・行基の像は温泉寺に
-
秀吉の妻「ねね像」
-
「太閤橋」から温泉街を見る
-
「豊太閤像」
-
早朝にはこんな風景も
-
名物「よい湯まんじゅう」
由緒ある有馬温泉の公共浴場ですが、色々新しい取り組みもしています
はしご湯ができるセット券などを利用して有馬の名湯を満喫してください
日本全国から、たくさんの方々が訪れる有馬温泉の公共浴場です。
自慢の金泉が人気ですが、白湯にて備長炭湯やハーブ風呂などのイベントを行い、より楽しんでいただけるよう企画しています。こちらはHPにて開催日をお知らせしていますので、ぜひご確認いただければと思います。
また毎年10月3日は「KOBE観光の日」として、金の湯と銀の湯を終日無料で開放し、とても賑わいます。毎月第2水曜は「レディースデー」。中学生以上の女性の方の入浴料金が半額、毎月第4水曜は「シルバーデー」で65歳以上の方の入浴料金が半額になります。有馬の金泉銀泉を満喫できるお得なセット券もあり、泉質が異なる「金の湯」と「銀の湯」の2館券850円、+有馬の温泉資料館「太閤の湯殿館」の3館券1,000円とお得になっております。近くの「有馬の工房」での2時間のご休憩と金の湯入浴がセットになった「湯ったりパック」もぜひご利用ください。